キャリア管理官はキスを待てない 稲月しん(著)/金井桂(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)木浦達城(きうら たつき)…捜査一課管理官。29歳。
(受)立浪香寿(たつなみ かず)…交通課巡査。24歳。
<あらすじ>
交通課勤務の巡査・立浪は、殺人事件の捜査本部の応援に駆り出され、署内を走り回っている最中に階段で転倒。危ないところを本庁からやってきたキャリア・木浦に助けられます。冷たい表情の木浦に馬鹿にされたと感じた立浪。しかしその後木浦の運転手として指名され、雑用全般を引き受けることになります。
<感想>
警察キャリアと巡査の、最初はかなり階級差を感じる組み合わせという印象でした。ですが木浦さんはいかにもキャリアな人なのに立浪くんへの溺愛はなぜかダダ漏れ、立浪くんは苦労人のはずなのに卑屈な感じが一切ない頑張り屋さん。なんだかんだでこのふたりなりの捜査が功を奏し事件解決に向かう楽しいお話でした。
基本立浪くんの一人称で進んでいくため、立浪くん本人がどういう印象を与えているかははっきりとは出てこないのですが、おそらくとてつもなくかわいい人なんだと思います。木浦さんは「猫に似ている」とおっしゃっていたので、きっと何するかわからなくてつかみどころがないんだけど、そんなところもかわいくて独占欲を刺激してくるんじゃないでしょうか。
木浦さんの愛し方も「要領のいい人」感が出ていて面白かったです。忙しいからこそ、ここぞというときには容赦なく迫ってくる溺愛。チャンスを確実に見極め、そして絶対に逃さない木浦さんの気迫を感じます。
それから、終盤でちらっと出ていらした木浦さんの同期・田辺さんは『ヤクザからの愛の指輪は永久に不滅です…?』の組対・田辺さんでしょうか。ハンカチをいっぱい持っていたらしい様子に笑いが止まりません。しかもけっこう役に立っておられる。本当にいっぱいもらったんですね。
<オススメ>
・キャリア管理官×専属雑用係の巡査。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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