<収録内容>
(出版社HPより引用しています。)
<表紙> 蔓沢つた子
<漫画>
蔓沢つた子「新妻くんと新夫くん すぱだりごっこ」
加東鉄瓶「Darkness blade-麗しき片翼の月と絶対無垢の太陽-」
八百「これは確かに、恋だ。」
灰田ナナコ「喘ぎ啼く鬼の鎮魂歌(レクイエム)」
明美「スパダリが抱く愛の檻」
S井ミツル「100の質問をはじめます」
望月うた「仮初の戯曲(リリック) ~ 今宵、仮面舞踏会にて―― ~」
ぺそ太郎「時を翔けてよ♥ハプニングShowTime!」
吾妻香夜「魔王受胎(サタニック†セックス)」
山口すぐり「俺は生徒会長のモノじゃない!![全寮制男子校/王道/俺様会長×強気]」
輪子湖わこ「マンホール抜けたら異世界ハーレムで快感パラダイスでした。」
<エッセイ>
Akabeko/拳/星名あんじ/高橋なめ子/碗島子
<感想>
突然のファンタジー、はだける服、目を凝らさないと読めないルビ、思わせぶりなセリフ……涙が出るくらい笑いながら、同時に胸の痛みと謎の頭痛に苦しむことになりました。
私自身はアニメ漫画ゲームが禁止の環境で育ったため、年齢のわりにヲタク歴はまだまだ中学2年生くらいです。ですので同年代の方と「あの頃」の話ができずに時々寂しい思いもしていたり……。しかし、そんな私でも思い当たる節がありすぎる恐ろしいアンソロジーでした。この胸の痛み、読んだ人全員と共有できているのかもしれないと思うとちょっと嬉しいです。
以下、気になった作品の感想です。
『新妻くんと新夫くん すぱだりごっこ』 蔓沢つた子
翔の誕生日、ホストクラブでの生誕祭で酔いつぶれた翔が目を覚ますと、そこは高級ホテル。ベッドの上で首輪をされ鎖に繋がれた状態の翔の隣で眠っていたのは……もちろんさとしでした。
嫉妬に狂ったさとしの暴走ぶりに笑いが止まりません。しかも彼は1年前の翔の生誕祭でもやらかしていた様子。金に物を言わせて好き放題するさとし、壊れ具合に拍車がかかっています。
それでも翔がさとしの思い通りになるはずもなく。用意した首輪に鎖が有効活用されたようで何よりです。それにしてもこのふたり、当たり前に何度も誕生日を祝っているってなにげにすごい……末永く一緒にいてほしいです。
『これは確かに、恋だ。』 八百
なんと先生ご自身と思われるお方が登場します。そのため作中で真正面からの突っ込みが入り、こちらの胸の痛みも倍増です。ありがとうございます。
血の繋がらない妹と幼馴染と生徒会長がいる日常を生きる、どこにでもいる普通の高校生・光輔は、物語冒頭から異世界に飛ばされなぜだか死にそうに。助けてくれたウルリク・ロルフ・グランクヴィスト(ウル)と一緒に元の世界に戻る手がかりを探します。
バッドエンド!?と思わせておいての勢いあるハッピーエンドに、なんだかとてもいいものを読んだ気分になりました。詰め込まれた要素の多さに、すごく壮大な作品を読んだような満足感です。
『スパダリが抱く愛の檻』 明美
作中にちょこちょこ入る「いにしえBL豆知識」、当時ならスパダリ攻がオークションで手に入れた愛らしい妖精のような受が実演してくれるところを、今回は勘違いで買われたガチムチさんがすべて男らしく叶えてくれました。
「いにしえBL豆知識」によれば、「ものごとの形容ひとつにつき最低4~5の単語を使用し情感豊かに表現しなくてならない」スパダリ攻。ベッドに横たわるガチムチ受に「魚河岸……?」と呟いてしまう姿に吹き出してしまいました。楽しすぎてもっと見ていたかったです。
『魔王受胎(サタニック†セックス)』 吾妻香夜
こちらはもう何から書けばいいのか……あまりにもおもしろかったので混乱しています。どうしよう、とりあえず謎の風を受けて揺れるナニが目に焼きついて離れません。
自室で眠っていたはずの結城刹那、目が覚めると魔王・ルシフェルの魔術空間で拘束されていました。5千年に1人の凄まじいエナジーを持つらしい結城刹那は、ルシフェルに受胎の儀を執り行われますが……。
はじけ飛ぶ服、まさかの場所に現れる魔方陣、結城刹那の正体、……他にもまだまだいろんなものがありすぎるくらいで忘れそうですが、こちらリバがありました。結城刹那の容姿が受と攻でガラッと変わるので、ルシフェルが形勢逆転される姿がかわいいです。
巻末の『FREE TALK』でも、小さなスペースにびっしり描き込まれたコマから各先生方の思い入れの強さが窺えました。
コメント