<登場人物>
(攻)レシェイヌ…今世王。異能を持つ王族。王朝最後の王。金髪。
(受)ラフォスエヌ…足弱。アシ。今世王の異母兄。片足が不自由で、杖をついて歩く。黒い短髪。
<あらすじ>
足弱と今世王が結婚して2年になり、ふたりは新婚旅行に出かけます。御幸巡行での護衛のため、灰色狼たちは精鋭の選抜を検討。そこで潜入任務から帰還した〈雷鳴〉が候補に挙がり、巡行への同行が決まります。
<感想>
シリーズ6作目は足弱と今世王が結婚して2年目に入り、ついに新婚旅行に出発しておられました。王の伴侶で最後の血族、ラフォスエヌとしての自分を足弱が自然と受け入れている様子に感動が押し寄せてきます。今世王からの愛も落ち着くどころかますます深くなっているようで、幸せいっぱいなのが伝わってきました。
そんなおふたりの待ちに待った新婚旅行、一緒に海を見るのを楽しみにしているやりとりだけでなんかもうたまらない気持ちになります。ふたりが一緒に、共にある未来を当たり前に思い描いている日がくるなんて、1巻を読んでいた時は想像もできませんでした。皆様本当にがんばったんですね。
そうやって確かな信頼関係があるのをしっかり認識できたところで、忠義を尽くし過ぎてしまった灰色狼〈雷鳴〉の行動。一応落着、とはなったようですがどうにも切なさの残る最後でした。灰色狼が「狼」と呼ばれるだけの本質を垣間見た気がします。同時に足弱が今世王の隣にいてくれてよかったとも思えました。足弱が伸ばした手は、かなりの救いになったのではないでしょうか。
同時収録の「古代編」にはものすごくびっくりしました。これまでひとつの歴史として作中に流れていた情景をこんなにはっきりを見せていただけるなんて。灰色狼について改めて考えなおすことになった本編の直後にこの古代編がくるとは、巧いなぁと唸ってしまいました。
最後の先生のあとがきで、足弱と烏賊焼きの顛末が明かされていて大歓喜でした。実は気になっていたのです。足弱が好きなものを気兼ねなく食べられる日々が続くよう心より願っています。
<オススメ>
・シリーズ6作目。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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・シリーズ
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