<登場人物>
(攻)薫(かおる)…ゆかの幼馴染。地味でおとなしい。
(受)広瀬ゆか(ひろせ ゆか)…Ω。薫とは進学してから距離を置いている。
大我(たいが)…α。ゆかの友人。
<あらすじ>
学校の二次性別検査によりΩだと判明したゆか。ショックのあまりこれまで一緒にいた友人たちとも普通に付き合えなくなっていきます。
そんなとき、幼馴染で最近は距離を置いていた薫の様子がおかしいことに気づいたゆかは、薫が自分と同じΩなのではないかと考えますが……。
<感想>
最初にオメガバースついての解説が3Pあり、それによるとこちらは「ビーボーイオメガバース」としてのシリーズ共通の設定に基づいているようです。基本的なことは俗にいうオメガバースと変わらないんですが、ラット(αの急性的な発情)という言葉はこの作品で初めて知りました。
断言はできないんですが、なんとなくみんな中学生かな、と思われます。それまではひとりの男子として今どきの学生をしていたゆかが、Ωだと判明した途端にこれまでと同じとはいかなくなる様子が痛いほどに伝わってきます。これまでは無縁だと感じていたことが、たった一度の検査によって自分ひとりに降りかかってくる……「運命」という一見ロマンチックな響きとは真逆の現実に胸が痛くなりました。
派手な友人達とつるんでいたゆかが、距離のできていた薫への考え方を素直に変えていくのには好感がもてました。ゆかって案外いい子だったんだな、と薫に歩み寄ろうする姿を見てしみじみ思いました。
6話の最後で、ゆかが安心したようにかわいらしく笑っているのを見て、続きものみたいだけど切りの良いところで終わってよかった、とこちらも安心したのですが。その後の描き下ろしを読んだところ案の定2巻が待ちきれなくなりました。大我……まさかそんな。
このラストを知ったうえでもう一度最初から読み直してみたところ、ゆかのヒートが起こるタイミングや大我の態度が豹変する瞬間がわかりやすく要所要所で唸ってしまいました。これからさらに愛憎入り乱れる展開が待ち受けていそうな予感がしますが、番になったふたりにはこれからも笑って暮らしていってほしいと願うばかりです。
<オススメ要素>
・運命と本能に翻弄される思春期オメガバース。
<関連作品>
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・シリーズ
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少年の境界 (2) (ビーボーイオメガバースコミックス)
posted with ヨメレバ
akabeko リブレ 2018-10-10
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