<登場人物>
(攻)大我(たいが)…α。ゆかの中学時代の友人。
(受)倫(りん)…Ω。居酒屋バイト。大我と一緒に住んでいる。18歳。
(攻)朽木薫(くつき かおる)…α。製薬会社勤務。ゆかの幼馴染で番。
(受)広瀬ゆか(ひろせ ゆか)…Ω。薫の幼馴染で番。
<あらすじ>
優良企業に就職し社会人になった大我は、居酒屋で知り合ったΩの倫と同棲中。互いに割り切っていた方が楽だとセフレ同然の関係を続けています。しかし倫が偶然ゆかと出会ったことをきっかけに、倫と薫が運命の番だったことが発覚。本能に衝き動かされた倫は薫を追いかけますが……。
<感想>
成長した大我が目を引く表紙、カバーを開くと大我の周囲で意味深な視線を投げあう薫にゆか、ただひとり背を向けている倫。あらすじの文字の位置がこれまた絶妙な場所にあり、読む前からものすごくハラハラしました。
冒頭の大我のモノローグが切ないです。諸々諦めたような表情をしながらも運命を語る姿がさらに切なさを煽ってきます。大我が哀愁を漂わせるいい男になっていました……。
そんな大我と一緒に暮らしている、というか家に上がり込んできたらしいのが、Ωの倫。Ωである自分を認め明るくバイトを頑張るとってもイイ子で、運命の番と出会ったとたんに狂ったように薫を求める姿が本当に痛々しくてかわいそうでした。時々我に返って謝ったりお礼を言ったりするところが、本当はこんなにいい子なのにと運命の残酷さを目の当たりにさせられました。
その一方で1巻で番になっていた薫とゆかも社会人になり、一緒に住んでいる様子。幼馴染としての関係を続けてきたようですが、大我と倫に出会ったことでゆかの心境に変化が。4人の中では薫だけが唯一最初から望むものを手に入れていたように見えていたものの、彼は彼でずっと抱えているものがあったんですね。大我へとてつもなくかっこいい啖呵を切ったあとで、薫がゆかに見せた涙が印象的でした。
順番が前後しますが、その前に大我が泣いているように見えるシーンに心抉られる思いでした……。倫を思うあまり薫の前に突然現れた大我がちょっと怖くてかわいかったです。待ち伏せしたんでしょうか。
akabeko先生の作品はどれも好きなところばかりで、その中でもキャラクターの手の描写には特に目を惹かれます。優しそうな動きだったり、ぐっと力が入っていたり。血管が浮いていたりすると本当たまらないです。
お話は2巻でひと区切りついていましたが、3rdシーズンへと続くようです。さらなる試練に襲われるのだとしたらかわいそうですが、4人とも幸せになってくれると信じて楽しみに待ちたいと思います。
<オススメ要素>
・運命に翻弄される四角関係。
<関連作品>
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akabeko リブレ 2017-07-10
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