愛淫の刺青 西野花(著)/亜樹良のりかず(イラスト) 【小説感想】
記事内に広告が含まれています。
<登場人物>
(攻)ジュウド…有名な盗賊団の頭。「風斬りのジュウド」の二つ名を持つ。
(受)ニナ…ファル族の美しい青年。背中に特殊な刺青がある。21歳。
<あらすじ>
王家の秘宝の位置を示す刺青を背に持つニナは、国を追われた王位継承者を探す途中で捕らえられ、オークションにかけられます。ニナは買い手に引き渡される直前で盗賊団に攫われますが、盗賊たちの目的もニナの刺青。盗賊団の頭であるジュウドは、完全な形で刺青を出現させる方法を教えるようニナに迫ります。
<感想>
状況や感度に応じて姿を変えるファンタジー刺青が私は大好きなので、あらゆるシーンで性癖を刺激される楽しい1冊でした。
王家の秘宝の在処を刺青として背負い、国を追われた王子を探しているニナ。この刺青がニナの体温や感度、おそらくは意志にも応じて異なる姿で出現してきます。ニナ本人も自覚していない感情が目に見える形で現れ、しかも背中なのでニナ以外には一目瞭然というのが非常に萌えます。
しかし刺青については噂になっていたらしく、人買いに捕まったニナを助けてくれたのが、ジュウド率いる盗賊団。ところがジュウドの目的はニナの刺青、ニナもどこかにいるはずの王子に自身を捧げるのが使命……難しい恋愛にも見えますが、ニナも盗賊団に協力して共に作戦を遂行したりとジュウドとの間に流れる空気は常に甘いです。おかげで安心して読み進められました。
ニナは追われる身なので敵に捕まるとモブにあれこれされてしまうものの、彼らは商品に対して傷をつけることは一応しないタイプで、道具や薬は出てきてもギリギリ完遂はナシでした。
それから、今作では刺青以外にも度肝を抜かれるプレイが拝めました。中盤頃にお目見えする縄プレイです。この縄が登場した瞬間、「これが噂の……!!」と思わず身構えてしまいましたが、ジュウドとニナにとってこれは訓練。なんだかとても凄まじかったです。
最後に現れたニナの刺青の全容は、少しの描写にもかかわらず淫靡な様が凝縮されていて惚れ惚れしました。亜樹良のりかず先生のイラストも細部まで美しいです。特に表紙、意味深に隠されたニナの太股に妄想が滾ります。
<オススメ要素>
・段階的に浮き出る刺青。
・縄。
コメント