<登場人物>
(攻)田辺恂二(たなべ じゅんじ)…大滝組のインテリヤクザ。岩下周平の舎弟。詐欺師。眼鏡。
(受)三宅大輔(みやけ だいすけ)…県警の組対。バツイチ。30代前半、田辺より1つ年上。
<あらすじ>
母親に田辺を紹介することになり、大輔は数年ぶりに実家へ帰ります。いきなり恋人と告げるわけにもいかず、友人としての顔見せになってしまい後悔を残した大輔。一方で田辺は、帰省の夜に一人で大輔の母親を訪ねていました。
<感想>
「刑事に×××」シリーズ文庫版の4冊目です。電子書籍に加筆修正した表題作『刑事に悩める恋の色』、書き下ろし中編『夏の終わりの通り雨』が収録されています。
大滝組若頭補佐の嫁・佐和紀の後ろ盾を得るため、大輔の母親に挨拶に行くことになった田辺。3巻でこの条件が出されたときは、まさかこんなにすぐ実現するとは思っていなかったのでびっくりでした。それほどに本気なのが伝わってきて感激です。しかし大輔の心が重くなるのもすごくわかります……ここは私も読んでいてとても緊張しました。
かといってイケメンインテリ詐欺師の田辺が失態などするはずもなく。大輔の母親を容易くたらしこんでいるようで、好きな人の母親に対する情も芽生えていたのにはぐっときました。すごくいい話に思えてくるのは、私も田辺のテクニックに踊らされているからなのかもしれません。田辺って世間的には絶対嫌な奴のはずなのに、そんないかにもヤクザな人間が恋人のカタブツ刑事さんにだけはメロメロになっているのが毎度たまらなく萌えます。
後半の書き下ろしでは、「仁嫁シリーズ」からの人物たちががっつり登場してきます。あちらの事情をこちらで把握することが私は多くなってきましたが、どのキャラも親切な紹介がある上に濃いので、混乱なく楽しめました。小山田あみ先生のイラストにも登場していて嬉しくなります。
イラストといえば、着実に距離が縮まっていくのがわかる表紙が素敵で、新刊が出るたびに一列に並べては萌え転がっています。
これ以上があるのだろうかと思えるくらい気持ちの上ではお互いに惚れ抜いているのがわかって、丸々1冊のろけを見せてもらえた気分です。胸を張って公言できるような関係ではない分、せめて今の状態を少しでも長く続けたいと願う切実さも胸に迫りました。
<オススメ要素>
・インテリヤクザ×マル暴刑事。
・「刑事に×××」シリーズ4作目。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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コミックシーモア【文庫版イラスト&書き下ろし付き】/
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・シリーズ
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