白蜜の契り~蜜花転生~ 西野花(著)/小山田あみ(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)ディラン・ロス・グリフィン…大国・コードウェルの将軍王。金髪。

 (受)布留川佳那(ふるかわ かな)…社会人になって1年。転職活動中。


<あらすじ>

 社会人になって一年になる佳那は、ある日突然会社が倒産、同時に恋人にもフラれてしまい、頼れる相手もいないまま一人で転職活動をしています。
 面接の帰り道、道路に飛び出した猫をかばって命を落とした佳那。神を名乗る猫の力により異世界に転生した佳那は、そこで蜜花と呼ばれ王に蜜を捧げる役目を強いられます。


<感想>

 西野花先生の異世界モノが小山田あみ先生先生のイラストで拝める、なんと贅沢な本が出てしまうんだと発売を知ってから手に取れるのをずっと楽しみにしておりました。期待以上のお話と美しい挿絵をたくさん見られて大満足です。

 異世界に転生して王様とめくるめく淫蕩生活……には違いないのですが、受の佳那はとても「イイコ」で流されやすく、それを上手く認められない現世での生活はなかなかに苦しかったです。猫を助けて事故に遭っても、接触したトラックの運転手を心配してしまうあたり彼の性格がよくあらわれていた気がします。

 でもそれが異世界では功を奏してくれるので、そこはさすがの猫神様。順応性の高い佳那だからこそ、転生早々に無体を働かれ、問答無用で「蜜花」にされても受け入れられれたのでは、と思えます。

 ディランは優しい王様ですが、この国には蜜花となったからには他の人々にも蜜を分け与えなければならないという決まりが。このルールのおかげで、私の好きなプレイが拝めました。本命攻受が繋がっている状態で佳那がモブに蜜を与えるシーンがあり、萌と官能がたっぷり詰まっていて圧倒されました。ここでの訓練されたモブさんたちは「王の蜜花」である佳那へ敬意を持って奉仕している雰囲気で、やってることはえげつないはずなのに「なんだこの上品なエロは!?」とわけのわからない感想が浮かびました。ものすごく好きになったシーンです。

 しかしその後に佳那を襲う、容赦ない方のモブによる仕打ち。覚悟はしていましたが、ディランが助けにくるまでけっこう時間がかかります。佳那は遠くまで連れてこられていたようなので、今回はかなりの強敵モブだったということでしょうか。

 ハッピーエンド後の西野先生のあとがきで、猫の神様のモデルについて明かされていました。これがすっごく素敵で。先生が作中に登場させることでその存在が永遠になるように感じられて、こちらまで涙ぐんでしまいました。


<オススメ>

・異世界の王様×転生してきた蜜花。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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