同時収録作のインパクトが忘れられないＢＬ８選　【漫画７小説１】

　小説だとめったにない気がするんですが、漫画だと表題作の他にも短編や中編が収録されている本をよく読みます。テイストが統一されているものもあれば、雰囲気が全部バラバラ、もしくはひとつだけ突出して異色なものが混ざっていたり。
　その中で私が表題作以上の衝撃を受け、表紙を見たときにむしろそちらが頭に浮かんでしまうようになった作品を集めてみました。



・『枕営業コンプレックス』（かわいいアンラッキーボーイ）　/日野雄飛

　「性癖博覧会の短編集」に偽りなく、ハッピーなものからダークな幕引きのお話までふり幅がすごかったです。中でも『かわいいアンラッキーボーイ』が私には衝撃で……。ここまで容赦ない攻はそうそうお目にかかれないと思います。



・『愛のかたち』（恋するパンツ男子）　/鈴本ノンキ

　繊細で切ない系な印象の表題作の後、何の前触れもなく始まった『恋するパンツ男子』。迷い込んだ先はパンツパーティー、開始１ページ目からの白鳥パンツ（立体）、受を守るために攻がパンツ食い競争に出るとわかったときはもうどうしようかと思いました。



・『ハロー・グレイ・ナイトシェード』（ファンファーレが聴こえるか）　/久松エイト

　表題作と、３番目に収録されていた『はらぺこのメメント・モリ』についてはどこか毒のある感じだったんですが、この２つに挟まれていた『ファンファーレが聴こえるか』がびっくりするくらいいい話でした。まっすぐな高校生の青春、眩しさが際立って見えました。



・『恋愛ルビの正しいふりかた』（ほどける怪物）　/おげれつたなか

　『錆びた夜でも恋は囁く』に登場していたかんちゃんのお話が収録されています。受の林田さんのギャップに悶絶しました。



・『ドラッグレス・セックス』（好きにしたいよ）　/エンゾウ　（感想記事はこちらです）

　当初は表題作になる可能性があったということに大きく頷いていました。狂気すら感じさせる変態ぶり、とても楽しかったです。



・『5 Seconds』（無修正のお日様）　/さちも　（感想記事はこちらです）

　収録作すべてにアブノーマルなテーマがついている短編集。恋愛については意外と爽やかだった表題作に対し、一番最後に収録されていた『無修正のお日様』の大人のこじらせ具合は切なかったです。



・『ラクダ使いと王子の夜』（いびつな欠片）　/緒川千世

　先生のあとがきで「くどい食材でもソフトなパンにはさんだら」とおっしゃっているのがとてもしっくりきた短編集でした。ふり幅が本当に広かったです。中でも『いびつな欠片』から受けた衝撃は突出していました。



・『禁じられた戯び』（禁断の果実）　山藍紫姫子（著）/座裏屋蘭丸（イラスト）

　表題作の衝撃から抜け出せないまま読み始めた短編だったんですが、座裏屋蘭丸先生のマダム・キスミのイラストで目が覚めました。そしてこれはこれで濃厚で、短いのに強烈なインパクトがありました。



　「同時収録のあの作品」が読みたいのに、どこに収録されているのかどうしても思い出せなくなるときがあります。思い当たるものから本を開いて確かめていくしかないんですが、手に取ったものが久しぶりに見る本だったりするとその場で読みふけってしまい、何を探していたのかさえ忘れてしまうことがあります。



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