そらの誉れは旦那さま 野原滋(著)/サマミヤアカザ(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)三雲高虎(みくも たかとら)…隼瀬浦の領主の長男。戦場では「鬼神」と呼ばれるほど強い。25歳。

 (受)空良(そら)…伊久琵で領主の息子として生まれたが、父に疎まれ姉の身代わりとして嫁に出された。現在は高虎の妻。19歳。


<あらすじ>

 空良が隼瀬浦にやってきてから3年が経った頃、高虎の父が出ている戦にて空良の力を必要としていると要請が届きます。空良を戦場に連れ出したくない高虎は猛烈に反対しますが、空良の希望もあり共に戦地へ赴きます。


<感想>

そらのだいじな旦那さま』、『そらのいとしい旦那さま』に続くシリーズ3作目です。2作目からそれほど時間は過ぎていないようで、空良が隼瀬浦にお嫁にきてから3年が経ったころのお話でした。

 高虎の空良への溺愛過保護は加速する一方のようで、天候を正確に読める空良を頼りたい領主の要請さえも突っぱねようとする始末。家臣と揉める様子はコミカルな雰囲気ですが、不憫な生い立ちの空良に戦場の空気を味わわせたくないというのはわかる気がします。

 初めて戦地に出た空良はやはりつらい仕打ちに遭いますが、地道な努力と高虎の支えのもと、見事な采配を見せてくれました。空良が堪えて考えて動いた全てが報われ、周囲が魅了されていく様子は本当に爽快でした。

 そんな空良の初陣までが前半で、先の勝利で高虎が新たな土地で領主となることが決まり、新天地での奮闘が後半でのお話になっています。空良と高虎が隼瀬浦を離れてしまうとはびっくりで、魁傑はついてきてくれたものの、旅立ちのシーンで私は普通に泣きました。高虎の言うように空良がよく泣くようになったことへの嬉しさはもちろん、次郎丸がはじめ元気にふるまうのが余計に涙を誘います。さらには梟のふくのさりげないお見送り(?)がかわいくて、笑いながらも切なくなってしまいました。

 新しい領地は海が近く肥沃な土地だそうですが、もともと住んでいる領民たちがなかなかの曲者で、高虎でさえ我慢を強いられていました。そこで浮き彫りになったのが、空良の成長。これまでなんの弱みもなさげだった高虎を支えようと奔走する姿が頼もしかったです。初めて明かされた高虎の本音も貴重で、それほどに空良が強くなっていたのだと再確認させられました。

 これまでも高虎の生き様や考え方には読んでいるこちらまで勇気づけられていて、でも今回そんな旦那さまを甘やかそうとする空良の深い愛にはたくさんの萌をいただきました。

 こちらのシリーズは読むたびスッキリとした気分になれて、元気をもらっています。先を見据えて支え合うふたりに、幸せな気持ちをたくさん分けてもらえました。


<オススメ要素>

・シリーズ3作目。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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・シリーズ
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