終わらない不幸についての話 /緒川千世 【漫画感想】

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 『誤算のハート』に出てきた烏童のお兄さんのお話です。『誤算のハート』の後日談となる短編も収録されていました。



『終わらない不幸についての話』(表題作)

<登場人物>

 (攻)清竹誠司(きよたけ せいじ)…大学生。バスケ部。

 (受)烏童隆之(うどう たかゆき)…大学生。両刀。烏童隆太の兄。


<あらすじ>

 中学時代、同じバスケ部で自分よりも20cmも身長が低かった清竹に恋をした烏童。清竹に彼女ができたのがおもしろくない余りに、彼女を奪ってしまったことがあります。
 大学生になり、烏童は8年ぶりに清竹と再会しますが、清竹は烏童の不誠実さを覚えていました。しかし清竹への恋心が忘れられない烏童は、酔いつぶれた清竹と強引に身体を重ねてしまいます。


<感想>

 前作「誤算のハート」に登場したときから、かなり癖のある雰囲気を漂わせていた烏童兄。烏童弟と三城を羨ましそうに見ていたのが印象的だったんですが、こんなに長いこと片想いをこじらせていたとは驚きでした。

 中学時代の清竹は烏童よりも20cmも背が低く、おまけに好みのタイプは背が低くて髪の長いかわいい女の子。大学生の烏童が長髪ぎみなところに未練を感じます。

 せっかく再会できたのに、長年の片想いを拗らせすぎてすっかり嫌な奴になってしまっている烏童。清竹の方が身長が1cm高くなっていたと発覚し、その勢いでようやく告白です。烏童の泣き顔が美しいです。

 それなのに、烏童は距離を詰めてくる清竹から逃げてしまいます。告白のときもそうでしたが、ここで烏童弟と三城のコンビがいい働きをしてくれました。この二人がいなかったらどうなってたんだろう……。

 ようやく想いが通じたあとの烏童はとにかくかわいらしい人でした。ここまでいろんなものを取り繕っていたのかと思うと、また最初に戻って読み返したくなります。

 表紙の烏童が涙していたことに、本を最後まで読んだ後になって気がつきました。それでガラッと印象が変わりましたが、どちらにしても素敵な表紙で気に入っています。



『誤算のハート』

<登場人物>

 (攻)烏童隆太(うどう りゅうた)…高校生3年生。一人暮らし。烏童隆之の弟。

 (受)三城俊久(みき としひさ)…高校生3年生。


<あらすじ>

 受験生になった烏童と三城。ある日、烏童の携帯に知らない番号からの通知があります。
 兄の隆之の家から三城とふたりで帰る途中、烏童からの提案で三城の家に行くことになります。どうせふたりだけだからと廊下で乳繰り合おうとする三城。そこへ仕事へ行っているはずの三城の母が帰宅してきます。


<感想>

 前作コミックスからは約1年後、表題作で烏童兄の家で3人で晩御飯を食べた後のお話です。帰りに三城の家に寄ったふたりは、乳繰り合っている現場を三城の母に目撃されてしまいます。

 受験前の大事な時期なのに、と怒られてしまい、烏童は三城としばらく距離を置こうと言い出します。それでも烏童を訪ねてきた三城を、今度は烏童兄が迎え撃ってしまいます。ここは前半の「終わらない不幸についての話」でも出てきた場面で、双方にとっていろいろと大変なタイミングだったみたいです。

 けれどそれでへこたれない三城もさすがです。そしてそんな三城の行動もすべてお見通しだった三城母はさらに強かったです。

 ただ一人グルでもなんでもなかったのが、烏童兄。謝らないとツンツンするも、清竹に言われた途端に素直に頭を下げてしまうのがどうにもかわいらしかったです。



<関連作品>

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