世界一初恋 ~小野寺律の場合13~小冊子付き特装版 /中村春菊 【漫画感想】

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 13巻は『小野寺律の場合』が2話+『高野政宗の場合』(描き下ろし)、『木佐翔太の場合』が1話分でした。カバー下漫画は高野さんが律っちゃんの部屋に掃除をしに行ったお話が2Pありました。



『小野寺律の場合』(表題作)

<登場人物>

 (攻)高野政宗(たかの まさむね)…丸川書店エメラルド編集部の敏腕編集長。

 (受)小野寺律(おのでら りつ)…丸川書店エメラルド編集部の新米編集者。


 清宮尚(きよみや なお)…海外でプロの写真家をしている。律が留学していたときの友人。


<あらすじ>

 嵯峨から離れ、ひとりで留学していたときのことを思い出す律。嵯峨のことを忘れるのに必死で周囲から孤立していた律にずっと寄り添ってくれていたのは尚でした。
 10年経って尚と再会した律。高野が嵯峨だと知った尚は、「俺そーゆー意味で律の事好きなんで」と言って高野に律を諦めるよう迫ります。


<感想>

 『小野寺律の場合』は2話収録されていたのですが、そのうち1話はほぼ律っちゃんの留学時代の回想でした。嵯峨先輩とのことがあまりにもショックで一刻もはやく忘れたいのに、毎晩先輩の夢を見てはうなされています。

 おかげで人間不信になってしまい、周囲の学生たちとほとんど言葉を交わさず陰で「幽霊(ゴースト)」というあだ名まで付けられてしまいます。そんな律っちゃんにしつこく声をかけ続け、励ましてくれたのはルームメイトの尚でした。

 この律っちゃんの留学時代の話がもう本当につらくて。巻末に収録されている描き下ろしの『高野政宗の場合』ではその頃の嵯峨先輩の様子が少し描かれていて、律っちゃんと同じ気持ちを持っていたことがわかります。切ないです。

 それから10年が経ち、撮影旅行から帰ってきた尚は律っちゃんの部屋に泊まり自分のの気持ちを匂わせますが、全く気づいてもらえず。おまけに尚を警戒する高野さんに対して「俺そーゆー意味で律の事好きなんで」と牽制してきます。

 律っちゃんの留学時代ではおせっかい焼きでいい人な尚ですが、10年経った高野さんにはどうにも嫌味が出てしまう様子。会うたびに高野さんを「嵯峨さん」と呼ぶ徹底ぶりです。

 そして今度ははっきりと自分の気持ちを伝えてきた尚。困惑しつつも律っちゃん自身はもう高野さんしか見ていないように見えます。互いの離れていた10年が埋まれば、律っちゃんの気持ちの整理もつくのでしょうか?恋に(完全に)堕ちるまで、あと40日です。



『木佐翔太の場合』

<登場人物>

 (攻)雪名皇(ゆきな こう)…美大生。ブックスまりもでアルバイトをしている。22歳。

 (受)木佐翔太(きさ しょうた)…丸川書店エメラルド編集部の編集者。31歳。


<あらすじ>

 雪名の部屋を訪ねた木佐は、そこで雪名の兄・帝と初対面します。
 雪名に負けず劣らずキラキラしている帝とふたりきりになったとき、木佐は帝から雪名が考えているという将来について初めて聞かされます。


<感想>

 前巻の木佐兄に続き、今度は雪名兄が登場します。消防士をしているという帝によれば、公務員一家に生まれた中でただひとりフワフワしている雪名の将来について、家族が心配しているらしいです。

 けれど雪名が真剣に絵に取り組む姿を目の当たりにし、さらには木佐さんの男気を聞かされ意外とあっさりふたりの中を認めてくれます。これで騒いでいるのは木佐兄だけになってしまいました。

 最後にはお兄さん方が雪名の部屋に集合です。やたらものわかりのいい雪名兄弟とのやりとりが笑えました。



『特装版小冊子』

<感想>

 限定版についてきた小冊子です。丸川書店の社員同士の結婚式2次会に招かれたエメラルド編集部の皆様。世界一初恋の3カプそれぞれの様子が描かれています。

 本編がシリアス気味だったので、明るい萌はこちらで楽しませていただきました。それぞれが楽しい夜を過ごしたようですが、中でも一番印象に残ったのは『羽鳥芳雪の場合』でした。吉野母のノリの良さに笑ってしまい、この調子ならふたりの将来は明るそうだと思えました。



<オススメ要素>

・律の留学時代の様子が垣間見れます。
・雪名兄登場。



<関連作品>

・通常版


・シリーズ


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