買われた男 野原滋(著)/小山田あみ(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)桐谷宗司(きりたに そうじ)…画家。春画を描いている。30過ぎ。
(受)三島孝祐(みしま こうすけ)…フリーター。綺麗な容姿に強気な性格。21歳。
<あらすじ>
高校を中退し東京でフリーターをしていた孝祐は、先輩に騙され、ヤクザの仕切るオークションで売りに出されます。そこで孝祐を買ったのは、書道家の桐谷。桐谷は息子の宗司が春画を描くためのモデルとして孝祐を連れ帰り、孝祐は蔵のようなアトリエで過ごすことになります。
<感想>
誰かの代わりにオークションに出されて買われる受というと、不憫とか健気というイメージが浮かぶんですが、こちらの孝祐は意外と強気な性格をしていて、最後までずっと逞しかったです。この状況でも後先考えず、ヤクザに食ってかかるタイプの受は貴重な気がします。
一週間という期限で買われた先で、孝祐は宗司が描く春画のモデルをすることに。そこで活躍してくれるのが縄。孝祐から色っぽい表情を引き出すため、緊縛した状態で筆やら玩具やらでアレコレされます。ここは小山田あみ先生のイラストとの相乗効果もあり、大変眼福でございました。
それでも飄々とした態度の崩れない孝祐に、次第に心を許していく宗司。そして桐谷親子の確執といいますか、宗司と父親の異常さが明らかになっていき、孝祐のおかげで目が覚めた宗司は自立への道を歩みはじめます。
インパクトのある美しい表紙とあらすじの仄暗いキーワードに対し、どこか淫靡な雰囲気が漂いつつも孝祐の性格のおかげか憂鬱な感じにはなりません。力はあるのにそれをただ利用されていた攻を強気な受が助け出してくれる流れ、ちょっとコメディなノリが入っていることもあり、すっきりとした気分で読めました。
<オススメ要素>
・日本家屋の蔵アトリエで緊縛モデル。
・がんじがらめ攻×能天気受。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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