<登場人物>
(攻)弐式有生(にしき ゆうせい)…討魔師。本家の次男。眷属は白狐。23歳。
(受)山科慶次(やましな けいじ)…半人前の討魔師。眷属は子狸。19歳。
<あらすじ>
年末年始を実家で過ごしていた慶次は、弐式家の当主で有生の父親が再婚したとの知らせを受け、家族とともに弐式家へ挨拶へ向かいます。そこで出会った後妻の由奈はとても若く、有生は新しい母親のことを異様に毛嫌いしていました。有生の由奈への態度を改めさせようと考えた慶次は、有生に勝負を挑みますが……。
<感想>
『眷愛隷属―白狐と狢―』、『きつねに嫁入り―眷愛隷属―』、長男が主役の『狼に捧げたい―眷愛隷属―』に続くシリーズ4作目です。有生×慶次が主役の巻は3冊目ですが、耀司には柚という恋人がいるとの表記があるので、時系列は3巻の後のようです。
未だ「半人前」とされる慶次と子狸ではありますが、今回はずいぶん成長した姿が見られて嬉しくなりました。新人討魔師の能力テスト・節分祭では強かな根回しと色仕掛けで見事な立ち回りを見せてくれた慶次。子狸の方も頼りがいが出てきていて、というかようやく慶次が子狸を神の使者として接するようになってきたような。有生の「俺に聞くより子狸に聞け」、との言葉にはこちらもはっとさせられました。
そしてタイトルを裏切らず、有生と慶次がついに確かな進展を迎えました。以前の感想でいっそこのままでも、なんてことを書いたことがありましたが、ふたりがきちんとくっつく姿をいざ目の当たりにしてみると、実はこの展開を全力で待っていた自分に気づかされました。ありがとうございます。
中でも楽しかったのが、言葉が出てこずに逃げ出してしまう有生。まさか有生のそんな姿が見られるとは思っていなかったので(しかもイラスト付)、ここは何度見返しても笑ってしまいます。
三男・瑞人のことも気になりますし、せっかく有生と慶次が名実ともに恋人になってくれたので、宿敵と決着がつくまでぜひ見届けさせてほしいです。
<オススメ>
・シリーズ4作目。
・有生×慶次が進展。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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狐がひとりじめ―眷愛隷属― 夜光花(著)/笠井あゆみ(イラスト) 【小説感想】
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