＜登場人物＞
（攻）平篤史（たいら あつし）…モデル。漫画家・田中鉄男が転生した当て馬キャラ。ヤリチン設定。
（受）松本巧（まつもと たくみ）…鉄男が性癖を詰め込んだ受キャラ。ビッチ。
＜あらすじ＞
締切明けに事件に巻き込まれ、命を落としたBL漫画家・田中鉄男。気が付くと自分が描いた漫画の世界に転生、自身が当て馬キャラの篤史であると知ります。
鉄男が性癖を詰め込んだ受・巧と出会った篤史は、自分が巧の恋人になろうと決意。正規ルートの攻と巧の恋愛を阻止しようと必死です。
＜感想＞
童貞が自ら描いたヤリチン当て馬に転生、ヤリチン属性を駆使しながらも泥臭くビッチ受を口説く姿から目が離せませんでした。自分が作ったはずの設定と現実のギャップに困惑したり、セフレの苦悩を主張する篤史の様子が笑えるんですが、同時にぐっとくる場面もたくさんあって、すごくおもしろかったです。
自身が性癖を詰め込んだ主人公受・巧くんに出会ってしまえば、当然惚れずにはいられないのは激しく納得でした。なのに転生したのは当て馬。原作者特権でどんな言葉が巧くんの心に響くのかがわかるのに、ヤリチン属性が良い方にも悪い方にも作用し、ひとりで大騒ぎする篤史。正規の攻なんて正反対の品行方正主人公で篤史のこれまでのクズぶりが際立つばかりなのですが、中身は真っ直ぐな篤史の方がだんだんかわいく見えてきます。
一番感動したのが、篤史がその愚直さで見事正規の攻を押しのけ、巧くんと恋人になった後。これで終わりかと思いきや、その後の篤史の生き方まで描かれていたのには驚きました。篤史が転生前にBL漫画家をしていたのが本人にとってはあまりよくない思い出として語られていた印象だったので、最後の篤史の選択は本当に嬉しくなります。描き下ろしやカバー下でも篤史が仕事にかなり意欲的になっているのも応援したくなりました。
＜オススメ＞
・ヤリチン当て馬に転生した原作者（童貞）×理想のビッチ主人公。
＜関連作品＞
・電子書籍（お試し読みができます。）
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