巨人族の花嫁３小冊子付き特装版　/ＩＴＫＺ　【漫画感想】

ＩＴＫＺ

2021.06.022024.08.27

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巨人族の花嫁3【小冊子付特装版】

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ITKZ 彗星社 2021年05月18日

＜登場人物＞

　（攻）カイウス・ラオ・ビステイル…巨人の国の第一王子。２５０ｃｍ。

　（受）水樹晃一（みずき　こういち）…高校３年。バスケ部キャプテン。１８０ｃｍ。

＜あらすじ＞

　元いた世界に帰る決断をし、カイウスとともに幽界へ向かった晃一。そこでカイウスに送り出されますが、晃一はその瞬間にカイウスの身体が透け始めたのを目撃します。

＜感想＞

　まさかこんなに泣かされるとはまったく予想していませんでした。カイウスの優しさと、晃一の決断、ユステイルの仲間たちと地球の人々の想い、みんながみんな自分以外の誰かのことを考えて動いているのが切ないです。「預言」てそういう意味だったんですね、ずっと「予言」だと思っていました。

　幽界での絡みなんて、エロコメ万歳展開のはずなのに涙が止まらないのですよ……だってふたりとも最中にすごい大事な話をするんです。そこへお母さんのくだりがさらに追い打ちをかけてくる……お母様どうして全裸なの？魂だから当然なの？的なことを私は頭の中では考えているのに、あの笑顔にやっぱり涙が止まらない。何よりもここでお母さんに後押ししてもらえたことは、これからの晃一の後悔をかなり小さくしてくれたのではないかと思えます。

　晃一の友達や親戚についてはつらいシーンもありましたが、ご都合主義で片づけないことには好感が持てました。まだ高校生の晃一はこうやって強くなっていくのだろうな、と考えたらとても応援したくなります。

　後半はカイウスと共に生きると決めた晃一の花嫁修業といった感じでしょうか。覚悟を決めた晃一が元気そうで本当によかったです。濃い新キャラやスライムまで登場してきて、まだまだ楽しくなりそうです。

　描き下ろしもいいお話でした。涙していた本編とは異なる陣の表情に、晃一との記憶が遠ざかっているのを実感させられます。とはいえ、大事な物を手放してでも大切な思い出をなかったことにはしない晃一の強さが感じられて、今後の彼の幸せを祈らずにはいられなくなりました。

　カバー下は「巨人族の花婿」第３話で、細かすぎるアニメ版のネタが進出です。そして最後のイラストが！あちらが来る設定ならこんな組み合わせもあるのかと目から鱗でした。ぜひ仲良くしてほしいです。

『特装版小冊子』

　３巻特装版を購入すると小冊子が付いてきます。全３２Pで、描き下ろし漫画６P、アニメ絵コンテ（９話）８P、単行本３巻１５話下書き１３Pが収録されていました。

　描き下ろし漫画はpart1とpart2に分かれていて、すべて４コマです。「なんでもあり魔術」によって髪や身長が伸びたり縮んだりする晃一を拝めます。個人的には巨体の晃一が一番かわいかったです。

＜オススメ＞

・巨人の褐色王子×小人扱いの高身長高校生。
・単行本版シリーズ３巻。

＜関連作品＞

・電子書籍（お試し読みができます。）