巨人族の花嫁ドラマＣＤ付特装版　/ＩＴＫＺ　【漫画感想】

ＩＴＫＺ

2020.03.242024.10.23

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巨人族の花嫁【ドラマCD付特装版】

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ITKZ （株）彗星社 2020年03月17日

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＜登場人物＞

　（攻）カイウス・ラオ・ビステイル…巨人の国の第一王子。２５０ｃｍ。

　（受）水樹晃一（みずき　こういち）…高校３年。バスケ部キャプテン。１８０ｃｍ。

＜あらすじ＞

　高校３年生の晃一がバスケ部を引退した日、後輩の女の子を思って１人で抜いている最中に突然、異世界に召喚されます。そこは身長１８０ｃｍの晃一が小人と呼ばれる、巨人族の世界。晃一が召喚されたのは巨人族の国の王子・カイウスの花嫁になるためだといわれ、結婚してカイウスを受け入れるよう迫られます。

＜感想＞

　日本では高身長のバスケ部キャプテンで女の子にモテモテだった晃一（巨根）が、巨人族の国に召喚されて小人扱いという展開が猛烈に魅力的でした。腹筋の割れている晃一が、巨人族の王子様にいとも簡単に組み敷かれる様子に申し訳なくも萌え転がってしまいました。

　詳しくは語られませんが、晃一はおそらく苦労人でとてもいい子です。巨人族の王子・カイウスは、「儚く華奢な小人」の晃一を一目見た瞬間から心を奪われてしまった様子。強引に迫りながらも、晃一が本気で嫌がれば無理強いはしない紳士なお方でした。カイウスは最初から晃一を溺愛しているのが伝わってくるので、気持ちの面では安心して見ていられました。

　これだけの体格差がありながら、絡みはしっかりあります。描写については真っ白修正がいい仕事をしていました。カイウスが終始優しいのに加え晃一に痛そうな表情は見られないので、身体は無事なようです。むしろカイウスの方が痛がっていて、微笑ましかったです。

　巨人族が暮らす世界には、他にも獣人や耳長族の国があるらしく、ファンタジーな世界観が細部までつくりこまれていました。そして晃一が摂取してしまった毒を解毒するため、獣人とひと悶着か、のところで今回は終了。いいところで終わってしまったので、今ものすごく続きが気になっています。

　描き下ろしは４話でふたりが初めて褥を共にしたあとのお話でした。恥ずかしくておふとんあるまじろになるかわいい晃一。晃一にとってはすべてが初めてだったと知ったカイウスは、驚きつつもどこまでも誠実な対応でした。紙本カバー下（１Ｐ漫画＋イラスト）は、まさかの「巨人族の花婿」。爆笑しながら、これはこれで楽しそうだなと妄想が膨らみました。

『特装版オリジナルドラマＣＤ』

＜キャスト＞

　（攻）カイウス・ラオ・ビステイル…小野友樹

　（受）水樹晃一…伊東健人

＜感想＞

　単行本の１～２話が音声化されていて、約２６分、全２トラックです。不自然さは感じない程度に細かくセリフが足されていて（BGMもぴったりでした）、意外にも音声だけでファンタジーな世界観やふたりの体格差を感じられました。オープニングで晃一が「死ぬっ!!」って２回言ったのには笑いました。

　伊東さんの晃一は、小人とはいえ人間としては高身長で好青年な感じがしっかり伝わります。高校生で異世界に召喚されてしまって、諸々初めてなことに直面して戸惑う初々しさとのギャップがかわいかったです。それでも男らしさは常に残っているのがすごい。

　小野さんのカイウスはものすごい王者感でした。さすが巨人族の王子様。威圧感がありそうなものなのに、話し方に品があって暑苦しさを感じないのが不思議です。基本的には優しい王子様かと思いきや、いざというときは晃一に有無を言わせない迫力。雰囲気がガラッと変わる瞬間が癖になりそうです。

　ぜひフルで音声化してほしくなる楽しいＣＤでした。１０歳児の「花嫁さんちっさーい」がお気に入りです。

＜オススメ＞

・巨人の褐色王子×小人扱いの高身長高校生。

＜関連作品＞

・通常版