うさぎ王子の耳に関する懸案事項 稲月しん(著)/小椋ムク(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)アルベル・ヴィンフィード…フェインの兄の側近。次期宰相候補。25歳。

 (受)フェイン・アズクール…アズクール王国第3王子。うさぎ耳。18歳。


<あらすじ>

 ある朝突然、頭からうさぎの耳が生え、獣人の特性に目覚めた第3王子フェイン。ありとあらゆる音が聞こえるようになりますが、そのために子供の頃からの想い人であるアルベルに好きな人がいると知ります。一人前になったら告白しようと決めていたフェインはショックを受け、告白も諦めてしまいます。


<感想>

 うさぎ耳が生えたかわいい王子様の成長、飛躍の物語でした。本には雑誌掲載された表題作「うさぎ王子の耳に関する懸案事項」、描き下ろし「うさぎ王子の幸せに関する懸案事項」の2つの中編が収録されています。

 生まれつき体が弱く、周囲には愛され大切にされながらも大変な思いをして生きてきたフェイン。うさぎ耳のおかげでようやく健康になった王子様の活躍は常に健気で応援したくなります。

 そんなフェインに一途に想われていたアルベルも、実はフェインが幼い頃から彼と結婚するために動いていた様子。美しい溺愛のような印象を受けますが、アルベルってなかなかの執着の持ち主なのでは。フェインの意志が確認できてからの、結婚へ向けたアルベルの行動の数々はあまりに鮮やかでニヤニヤしてしまいます。フェイン愛されてますね。

 主役のふたり以外にも、脇役や当て馬が個性的で楽しかったです。誰も彼もがフェインのことが大好きなのもまた良い。もともと大切にしたくなってしまう末っ子王子にうさぎ耳が付いたらもう無敵。アルベルは今後も気苦労が絶えないのではないでしょうか。


<オススメ>

・次期宰相候補×うさぎ耳の第3王子。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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