ドロドロBL 【アンソロ感想】
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<収録内容>
(出版社HPより)
<表紙> akabeko
<漫画>
春田
柏木真
かたしな
あらかた
斧田藤也
後頭
木村ヒデサト
<コラム>
彩景でりこ
さきしたせんむ
akabeko
<感想>
akabeko先生の表紙に惹かれ、久しぶりにテーマアンソロを購入しました。表紙の彼については先生がコラムで語ってくださっています。貪り読みました。
どこを開いてもテーマに違わずドロドロのドッロドロ。でもなぜだかどの作品も後味スッキリで、ここまで全てのお話が自分好みなアンソロは初めてで嬉しいです。もういい年だし重い話に耐えられるだろうかという不安は杞憂に終わりました。結局こういうのが大好きなんです。
私は紙本で買ったのですが、全体的に修正は白線が数本入る程度でした。
以下、気になった作品の感想です。
『相思相愛』 かたしな
付き合って3ヶ月の恋人とめでたく一線越えたものの、どうやら自分が処女厨だったらしいと事後に気づいたジン君。恋人のルイ君のことは変わらず好きなのに、デキる気がしないと悩みます。
そこでジン君の頭に浮かんだのが、ルイ君が処女だった過去に戻りたいという気持ち。誕生日の写真をキーにして何度も処女のルイ君との初めてを繰り返しますが、次第に様子がおかしくなっていきます。
私にはちょっと難しい結末でした。写真は最終的に無事だった?とか日付を凝視することで一生懸命ヒントを探しています。ジン君もルイ君もお互いのことを想い一緒にいたいと願っているのは伝わってくるので、ドロドロのループはこのまま続きそうな予感がします。
『塔の上には誰も居ぬ』 後頭
借金取りから追われさらにウリだと勘違いされた幸太郎は、危機を天に助けられます。天の紹介で本当にウリを始めることになった幸太郎でしたが……。
ウリとしてのアレコレを手取り足取り教えてくれた天。リバに次ぐリバに目が回りそうです。明るく楽しくその日を生きていそうな天、しかし彼はそれはもう明日の見えない事情を抱えていました。
最後の天を見ていると、彼は実はずっと正気だったんじゃないかと思えてきます。もしくは幸太郎が本来の天を呼び戻していたのでしょうか。そしてお話の幕引きがとても印象的でした。これはすごい。
お話が凄まじかった分、巻末の後頭先生のコメントには笑いました。雷さんの人生もちょっとのぞいてみたくなりました。
『俺の春』 木村ヒデサト
消費税が5%になるかという頃、未だに人柱の風習の残る閉鎖的な村でのお話でした。残酷な運命を背負った春と、春が自分を犠牲にして守ってきた栄太さん。閉塞感に押しつぶされそうな重苦しい空気が漂い、明るい未来なんてとてもじゃないけどやってきそうにありません。
ですが、最後の栄太さんの笑顔と春の涙は不思議と美しく見えます。後ろにとんでもないものが転がっているのに、はためく白装束とどす黒く染まったジャージが結婚式の衣装のようで(しかも人柱のアレが十字架を髣髴とさせる)、綺麗なプロポーズだなあと感じてしまいました。
ラストを飾るのにふさわしい、衝撃展開でした。
<関連作品>
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