<登場人物>
(攻)柏木浩二(かしわぎ こうじ)…常盤会系柏木組組長。
(受)秋津比呂(あきつ ひろ)…大学3年生。顔が整っていることに自覚がある。20歳。
朝霞亮(あさか りょう)…比呂の中学からの親友。
朝霞友喜(あさか ともき)…亮の従兄弟。関西弁の中学生。
<あらすじ>
自他共に認めるほど顔が整っている比呂は、酔うと誰彼かまわずに口説いてしまう悪癖があります。
そんな比呂がある朝目を覚ますと、知らないホテルで自分は全裸、バスルームから出てきたのは見知らぬ男・柏木でした。組長を名乗る柏木に恐れをなした比呂はどうにかホテルから逃げ出しますが、その後あっという間に捕まえられてしまいます。
<感想>
先生のサイトでの連載から電子書籍化を経て、こちらの紙本での出版になったそうです。
媒体を変えて書籍化していくほどに人気があるのが大いに頷ける内容でした。最初から最後までとてもおもしろくて、一気に読んでしまいました。
文章は基本は比呂時々柏木の一人称で進みます。比呂の心の叫びだったり、暴走する柏木への突っ込み、キャラクター達の掛け合いが楽しく、ネット小説っぽい雰囲気を残しながらも紙で存分に楽しめました。
予想と違ってちょっと驚いたのが、比呂の貞操は案外あっさりと奪われてしまったこと(貞操ってどういう意味だったっけ? と、思わず調べてしまいました)。そこまでする柏木の熱量についていけない比呂が逃げ出してしまう、というお話だったんですね。これは嬉しい誤算でした。
柏木は常盤会の御曹司でかなりの切れ者のようですが、比呂に対しては終始デレデレですし(それでも男前は崩れない)、具体的な裏社会シーンというか怖い場面はほとんどありませんでした。強引なようで、カタギに手を出すことにはきちんと迷うお方です。
主役のふたり以外にも魅力的なキャラクターがたくさんでした。前半では亮は比呂のことが好きなんじゃないかと思っていたので勝手に切なくなっていましたが、友喜が登場してからはそんな気持ちはふっとびました。全力でスピンオフをお願い致します。だってあんなにかっこいい亮を友喜が……なんですよね?
安瀬さんも気になります。とってもいい味出してました。
書き下ろしで短編『ヤクザから騎乗位をしつこく求められています』が収録されています。天然で色気爆発の比呂。周囲の苦労が目に浮かびます。柏木さんに全力で囲われるくらいがちょうどいい気がしてきました。
<関連作品>
・ヤクザから貞操をしつこく狙われています 書き下ろしSSペーパー(コミコミスタジオオリジナル特典)
・シリーズ
(感想記事はこちらです)
(感想記事はこちらです)
(感想記事はこちらです)
ヤクザからの愛の指輪は永久に不滅です…?
posted with ヨメレバ
稲月 しん/秋吉 しま 二見書房 2022年09月26日頃
<関連記事>
・方言・訛りに痺れたBL7選 【小説編】
コメント