式神の名は、鬼 2 夜光花(著)/笠井あゆみ(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)羅刹(らせつ)…封印されていた人喰い鬼。

 (受)氷室櫂(ひむろ かい)…陰陽師。妖怪に付き纏われている。26歳。


 土井伊織(どい いおり)…櫂の中学時代の同級生。意識が戻らず入院中。26歳。

 草太(そうた)…小学生。鬼と人間のハーフ。

 安倍那都巳(あべ なつみ)…陰陽師。安倍晴明の子孫。


<あらすじ>

 重要な取引先が別の陰陽師とも関わりを持っていることが判明し、問い質しに経済界の大物を訪ねた櫂。そこで安倍那都巳と対面し、那都巳が八百比丘尼に執心していると発覚します。厄介な相手と知り合ってしまったかもしれないと危惧した櫂でしたが、そこへ絵に関する怪事件を解決して欲しいと依頼が舞い込みます。


<感想>

 シリーズ第2巻です。前作はコミカルで甘さ控えめだったのに比べ、今回は櫂と羅刹の間に恋心が芽生え甘さが加わり、その分切なさが増した印象でした。自覚のないままに櫂に気遣いを見せ始めた羅刹に対し、これは術のせいだから絆されまいとする櫂、しかも呪いのせいでタイムリミットがある……ますます目が離せなくなってきました。

 櫂のもとに舞い込んだ依頼では八百比丘尼が登場し、かなり不気味なインパクトを残していきました。さらに櫂の周辺では安倍那都巳や伊織や草太までがそれぞれ事件に巻き込まれ、混迷を極めていきます。キャラも事件も大渋滞に見せかけてすべては繋がっていると思われ、混乱することなく読めた気がします。すごい。

 まだ敵か味方かも判別できない人が大勢で、しかも草太と伊織についてはかなりの衝撃でした。けれど今までは事情もわからないまま守られるだけだった伊織の本性が垣間見れたのはおもしろかったです。こういう思想の人は嫌いじゃない。

 あとは直接の登場とはならなかったものの、前作の癒し・河童のことがちらほらでてきたのが嬉しかったです。今でも櫂の家に通い続けているんですね……健気なコ……。その様子が人づてに、そういえば……みたいなノリで話題に出てくるのがツボでした。

 先生のあとがきによれば、次の本で終わりの予定とのこと。櫂と羅刹はいい雰囲気になってきましたが、多発している事件がどう解決に向かうのか、ますますおもしろくなってきました。次巻の発売を楽しみに待ちたいと思います。


<オススメ要素>

・八百比丘尼登場。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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