手加減を知らない竜の寵愛 稲月しん(著)/柳瀬せの(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)ラス…見た目は20歳くらいの青年。赤褐色の髪、金色の瞳。子供の姿にもなれる。

 (受)タムル・ウィザ…剣の指導官。銀髪。貴族出身。24歳。


<あらすじ>

 魔法使いの多い家系に生まれながら、魔力が一切ないタムル。騎士になるため自分の魔剣を探していますがなかなか見つからず、準騎士として剣の指導官をしています。
 魔剣を求めて遺跡を探索していたタムルは、重傷を負ったところを謎の青年・ラスに助けられます。なぜかタムルのことをよく知っている様子のラスは、タムルが拒否したにもかかわらず子供の姿になってタムルの家までついてきます。


<感想>

 なんだかすごく強そうだけど得体のしれない存在のラス。本人は生まれたばかりだと主張してきますが、タムルには詳しかったり青年と子供の姿を自在に使い分けたりと頭がよくて自由人。不思議な魅力が詰まった攻でした。

 一方のタムルは子供の頃から苦悩の多い人生だったようで。家族や同僚たちとはすれ違っていたタムルが、人とは感覚の違うラスとの出会いで多くのことが良い方向に向かっていく、まるで運命のようにお似合いのふたりでした。

 あとは当たり前に執着しているラスもおもしろいしかわいかったです。でも生まれる前からタムルのそばにいたラスにとってはきっと普通のことなんですよね。なのでどんなにあざとくても嫌な感じがしなくて、タムルへの純粋な愛が感じられます。

 主役のふたりももちろんよかったのですが、私はサルバ隊長とグゥがいい味出してて大好きになりました。大事なところでサラッと登場し、すべてお見通しかのような発言をしていくお二方。タムルとラスが今後どんな事態になったとしても、このふたりには全部筒抜けなのではないかと思えます。それも楽しそうです。


<オススメ>

・青年と子供の姿を使い分ける謎の存在×魔力のない準騎士。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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