おうちのありか イエスかノーか半分か３　一穂ミチ（著）/竹美家らら（イラスト）　【小説感想】

＜登場人物＞

　（攻）都築潮（つづき　うしお）…アニメーション作家。

　（受）国江田計（くにえだ　けい）…人気若手アナウンサー。性格に極端な二面性がある。


＜あらすじ＞

　付き合い始めてからそろそろ２年の潮と計。衆議院が解散するかどうかが話題になっている中、なぜか計に衆院選立候補の噂が。同時に潮の仕事にもキャンセルが続き、ふたりの周囲には不穏な動きが見られます。


＜感想＞

　『イエスかノーか半分か』、『世界のまんなか イエスかノーか半分か２』、に続くシリーズ３作目です。これまでほとんど明かされてこなかった潮の家族に焦点が当たっていました。

　明るく楽しい雰囲気のいわゆる普通の家庭で育った計とは対照的に、厳格で一般的とは言いがたい家族をもっていた潮。それももとからそうだったわけではなく、不慮の事故をきっかけに突然変わらざるを得なかった、というのが切ないです。

　これまでのシリーズでは計のピンチを潮が支えていた展開でしたが、今回は潮がとても苦しい立場に。潮を実家に戻らせるため、プレッシャーをかけられたのは計の方でした。

　それを知った計がびっくりするくらい前向きで頼もしかったです。強引だけれど無謀なことはしない完璧王子様の計の活躍を見ているうちに、途中から潮がヒロインに見えてきました。そして助け出したヒロインにお姫様抱っこされる王子様。かわいかったです。

　ただ潮の家がなくなってしまったことは本当にかわいそうでした。どこまでも容赦のない仕打ちに切なくなったものの、新しいおうちがあまりにも素敵だったので最後は温かい気持ちで読み終えることができました。


＜オススメ要素＞

・シリーズ３作目、潮が苦境に。


＜関連作品＞

・電子書籍（お試し読みができます。）

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・シリーズ
（感想記事はこちらです）


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