<登場人物>
(攻)如月雪也(きさらぎ ゆきや)…本名白松龍一。映の探偵助手。実家はヤクザだが、家業は継いでいない。
(受)夏川映(なつかわ あきら)…探偵事務所所長。和装。珍妙な人やものを引き寄せる超トラブル体質。
白松龍二(しらまつ りゅうじ)…雪也の双子の弟。白松組若頭。
三浦光(みうら こう)…龍二の部下。映の用心棒を嫌々することになった。
<あらすじ>
雪也の双子の弟で白松組の現若頭・龍二が撃たれたという報告が入り、一時的に実家に帰ることになった雪也。純粋に雪也の身を心配する映の気持ちをよそに、映の浮気防止と護衛のため、雪也はお目付け役・光を派遣します。光の監視を受けながら雪也の帰りを待つ映でしたが、やはりトラブル体質が発動してしまい、かつてのパトロンから連絡が入ります。
<感想>
フェロモン探偵シリーズの5作目です。そういえば4作目の本当に最後、龍二が撃たれたというところで終わっていたことを思い出しました。
ですので5巻の冒頭での雪也と映は、離れ離れになる直前です。まずは映視点で始まるのですが、これが思った以上に甘い雰囲気でびっくりしました。映が純粋に雪也のことを心配し恋しいと想っていて、映の気持ちがしっかり雪也に向いているのがわかり、読んでいて嬉しくなります。かつては何かにつけて美少年を追いかけていたのが嘘のようです。
そんな映の気持ちがわかっているのかいないのか、雪也が映の護衛にと連れてきたのは光という、同性愛嫌いの若者。もちろん映の浮気防止のためでもあり、映は雪也がいない間は光と過ごすことになります。
こちらの光さん、相葉キョウコ先生のイラストにもしっかり登場するんですが、かなりいいキャラでございました。難しいのは百も承知ですが、ぜひ光を主役にスピンオフをお願いしたいです(もちろん受で)。
今回の極道編は、龍二を襲わせた黒幕探しを軸に展開していきます。雪也の実家について詳しく明かされるのはこの5巻が初めてなので、光をはじめ新キャラが多数登場します。これが出てくる人々全員が怪しく見えてしまい、推理探偵ものとしてもとても楽しかったです。
そこにお約束の映のトラブル体質もしっかり発動、雪也と映はそれぞれの方向から事件解決のために動きます。
この5巻中に黒幕は判明し動機も明らかになりますが、そこで新たに浮上したのが雪也の将来についての問題。映のトラウマに関しては今回ほぼ進展はなかったので、ちょっと怖いですがまだまだ先が気になります。
今回はふたりが離れて暮らしていたのでこれまでとくらべると分量的には少ないかもしれませんが、肌色シーンもとてもよかったです。態度にはそれほど出せずとも、映が自分の気持ちを認めているので甘さと切なさがちょうどいい具合です。雪也が最後の方で使う道具(?)が私の好きな方面のマニアックさでした。
<オススメ要素>
・フェロモン探偵シリーズ・極道編。雪也サイドの諸々が明らかになります。
<関連作品>
・電子書籍
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